1-8 変化に強くなる

同じ変化に直面しているのに、なぜある人は他の人とは違う反応をするのか。人はその理由をずっと知りたいと思ってきました。

様々な研究者たちは、強いストレスがかかったり、変化を経験している中であっても、健康であり続ける人たちを特徴づける鍵となる能力があることを見つけました。スザンヌ コバサ博士とサルバドル マディ博士は、ストレスの高い状況の中で極めて健康であったマネージャーたちと、似たような状況の中で軽度から重度の病気になったマネージャーたちとを比較しました。レオナルド サイム博士は、社会的支援と長寿に関する広範な調査を行い、人は誰かと直接会うか電話で話すかのいずれでも、より多くの社会的接触を持つ人ほど寿命が長くなることを見出しました。これらの研究から、「*変化耐性:ハーディネス」のパターンが浮かび上がってきました。

*変化耐性:ハーディネスとは変化や困難な状況に耐えられるたくましさ、強さのこと

変化に直面しても強い人々は、以下のような特徴があります:

Commitment(コミットメント)
自分の仕事にきちんと向き合い、コミットしていました。彼らは変化の中で大局的に物事を捉えていました。

Challenge(チャレンジ)
変化をやりがいがあるチャレンジ、そして好機だと捉えていました。彼らは現実的な選択肢と可能性にフォーカスしていました。

Control(コントロール)
自分たちがどうすることもできないことの代わりに、自分たちがコントロールできることに注意を向けていました。

Connection(コネクション)
同僚や他者に助けやサポートを求めていました。彼らは広く学ぶことができるよう、人と繋がっていました。

これらの4つのC – commitment(コミットメント), challenge(チャレンジ), control(コントロール), connection(コネクション) – は効果的なチェンジマスターになるための鍵となる能力です。

変化耐性の特徴である4つのCそれぞれについて、自分の経験から例を挙げてみましょう。仕事に限定する必要はありません。あなたがこれまでに示したことのある変化耐性の数(の多さ)に、驚くかもしれません。  

あなたはどのくらい変化に強いですか?

以下に示す変化耐性の要素のうち、あなたに当てはまるものはどれでしょうか?

Commitment(コミットメント)
・自分のやっている仕事や会社が好きだ
・その日の仕事が待ち遠しくて目がさめる
・自分がやっていることには意味や目的があると感じられる
Challenge(チャレンジ)
・新しいプロジェクトにワクワクし、エネルギーが湧いてくる
・新たな機会を探すことは、私の人生にとって重要だ
・自分の現在の実力を超えるようなプロジェクトに取り組む
Control(コントロール)
・自分ができることに集中し、自分にはできないことについて、フラストレーションを感じて時間やエネルギーを浪費するようなことはしない
・仕事上の要求が高い時には、自分の最善を尽くすことが最も効果的なアプローチであると知っている
・物事を成し遂げる新たなやり方をいつも探している
Connection(コネクション)
・自分が問題や困難を抱えている時には誰か助けてくれる人を探す
・他の人に助けてもらったのと同じように、自分も他の人を助けていると感じる
・自分の周りの人たちからできる限りたくさんのことを学ぼうとしている

上記に印が多くつけばつくほど、あなたは変化に直面した際に耐性が高いと言えるでしょう。

チェンジマスターになるための4つの能力– commitment(コミットメント), challenge(チャレンジ), control(コントロール), そしてconnection(コネクション)は、今からでも身に着けることができます。