2-3 変化をナビゲートする

何年もの間、多くの西洋人は“危機”という漢字には危険と機会の両方の意味があると考えてきました。

この“危機”という漢字は、ジョン.F.ケネデイやニクソン、ライス元国務長官そしてアル・ゴアといった著名人が使ってきました。これが“危機”という漢字の正確な訳ではないにしろ、変化にも危険と機会という二つの意味が含まれるという考えは深遠で興味をそそる概念であり、この物語が半世紀以上にわたって人気があるのもうなずけます。

この二面性は変化にもともと備わっている性質です。私たちは変化に対して両方の側面から反応します。変化の道のりはスムーズであることなどほとんどなく、予測も難しいものです。私たちが変化に対して最初にやるべきことは、変化の必要性を認識し、これまでの古いやり方を捨てることです(拒絶から目覚める)。その過程では感情的になり、もがくこともしょっちゅうあります(抵抗)。変わることの必要性をしっかり認識した後は、古いやり方をあきらめて、新しい機会に集中し始めることに私たちのエネルギーは向かいます(探求)。そうすることで変化を乗り越えるための戦略を練ることができ、行動を起こすことにコミットします(やる気)。

変化とその過程をナビゲートするとは、以下に示す4つのフェーズからなる心理曲線を進んでいくということです。