3-1 チャレンジを追い求める状況を創り出す

変化を乗り越えていく人は喜んでチャレンジを受け入れます。事実、そのような人々は度々チャレンジを求めるのです。彼らは現在の仕事に甘んじることなくあらゆる機会を探し、成長の機会を見つけようとします。この“セルフチャレンジ”の力は新たなスキルを身につける、新たな人たちと出会う、そして新たなリソース(情報源)を見つけるための継続的な機会を提供してくれます。

状況が変化している時、あなたがマネージする必要のある最も重要な領域は自分自身です。あなたは組織、家族、そして人生で起きる変化に対して、たとえコントロールできることが限られていたとしても、自分自身や自分の力:パーソナルパワーはいつもある程度コントロールすることができるのです。どのように反応するか、何をするか、何を考え、感じ取るかはコントロールすることができます。

変化を通して自分自身をマネージすることは、トラジションカーブを乗り越えるためにあなた自身の持てる力をフルに活用して、あなたの内側にエネルギーを作り出すことなのです。

チャレンジへと踏み出すことを可能にする基本は、自分に求められることはできるようになる、という信念です。自分がすべきことを成し遂げられるという“自己肯定感”は、変化を起こす強力なステップであることがこれまでに明らかになってきました。

自分の内側にポジティブなムードを創り出す

心理学者のアルバート・バンデューラは自己肯定感について、次のように記しています:

自己肯定感が高ければ高いほど、人は自分に課す目標が高くなり目標に対するコミットメントが強くなります。自己肯定感が低い人は困難に直面すると努力をしても無駄だと容易に納得してしまいます。彼らはすぐにあきらめてしまいます。自己肯定感の高い人たちは障害があっても自らのセルフマネジメントスキルを高め、忍耐強く努力することによって克服できると考えています。彼らは困難に直面してもなお、目標を見失わないのです。

この10年の間に、変化に対してどのようにうまく備えるべきかにフォーカスした数々のアプローチやセオリーが生まれました。これらの認知行動的なセオリーは次のような基本的な考え方に基づいています:

  1. 自分自身をどう見るか、環境をどう捉えるかが重要である
  2. 目標を設定し、目標に近づき、目標を見直すことができるという内なる自信が重要である
  3. 一人でやるだけではなく、関わりの中で社会的支援を得ようとする気持ちや実際にそうすることが重要である