1-2 変化が与える影響

誰もが違うやり方で、職場や生活の変化に適応します。新しい生活環境に慣れるのに膨大な努力が必要な人もいれば、少しの調整だけで慣れてしまう人もいます。あなたがチェンジマスターであれば、どんな変化でも前に進むことができるでしょう。チェンジマスターでない人たちは、同じ変化に遭遇したとしても、ストレスを多く経験するかもしれません。

2人の研究者、トーマス・ホームズ博士とリチャード・ラヘ博士は、深刻な病気にかかったり、事故に巻き込まれたりした人たちが、その前の数年間の生活の変化が著しく増加していたことを明らかにしました。

そしてこの生活における大きな変化を、ライフイベントと名付けました。

以下は彼らが作成した「社会的再適応評価尺度(The social readjustment rating scale)」を応用して作成したライフイベントの数々です。

この1年であなたが経験したものはいくつありますか?

仕事
・職種の変更・職責の変化
・同僚とのトラブル・労働条件の変化
・新たな技術の導入・定年退職
・仕事に関するスキル向上のためのコース受講・解雇または失業
・合併、買収、もしくは組織再編
経済事情
・大きな出費や新規借り入れ・ビジネスの破綻、経済的損失
・経済状態の変化(良くも悪くも)
家庭/家族
・引っ越し・家族での過ごし方の変化(休日、お祝い事等)
・住宅改修やその他の目立った家計の変化・姻戚とのトラブル
・配偶者との口論の増加・配偶者や家族の死
・親しい友人の死・結婚
・新たな家族が増える(誕生、養子縁組、親族の同居)・配偶者の就職や離職
・離婚・配偶者との別居や離婚調停
・家族の健康や日常習慣の変化
健康
・大きな怪我や病気・睡眠習慣の変化
・食習慣の変化・余暇の時間や過ごし方の変化
個人的、人・社会とのつながり
・個人的な輝かしい成功・性的障害
・休暇・修学、卒業
・信教の変化・新たな親しい友人、恋人ができる
・社会的活動の変化・将来に関する大きな決断
・法的な問題・事故にあう/事故を起こす
・個人的な財産の喪失、盗難または損害・政治的信念の変化
・失恋

あなたがチェックをつけた項目はいくつありましたか?あなたのチェック数に該当する説明を読んでみましょう。

0−15平穏な1年でした
16−25チャレンジングな1年でした
26−37変化を乗り越えるのに誰かの助けが必要な1年でした
38以上驚くほどスピードが早く、目が回るような1年でした

変化がどのように認識されるかは人によって異なりますので、上の説明があなたにとっては正解ではないかもしれません。変化がもたらす影響は、あなたの年齢、過去の経験、および現在の状況によって異なります。チェックをつけた全ての項目を見てみましょう。休暇や結婚などのポジティブな変化でさえも、対応するためには様々な調整の必要があるのです。

また、他の研究結果も、あなたが生活における変化をどのように経験するか、あるいは備えるかは、あなたにとってその出来事がどれほど難しいかによるものであることを示しています。変化をマネジメントするスキルを実践する人たちは、変化によるストレスを軽減させることもわかってきました。