はじめに

VUCAの時代、チェンジマネジメントのスキルは誰にでも必要

私たちの日常は人類史上、稀に見るほど速いスピードで変わり続けています。 新聞1日分の情報量は、16世紀の人が一生涯をかけて知り得たであろう情報量に匹敵すると言われているほどです。処理しきれないほどの情報の量は、私たちが本当に大切なものを見極め、集中することが極めて難しい環境を作り出しています。

私たちは皆、仕事や生活における変化を理解し、それに応えようとしています。しかし多くの場合、これらの変化に積極的かつ前向きに向き合おうとするにも関わらず、変化に圧倒され、混乱してしまうのです。

あなたは今どのような変化に向き合っているのでしょうか。組織改革の一部(再編成、合併、縮小)を担っているのでしょうか。あるいは退職、復職、キャリアの変化、ライフスタイルの変化などの個人的な変化に直面しているのかもしれません。

変化に対応し、乗り越えるためには、スキルや物の見方、考え方(戦略)が必要です。
このシリーズでは、あなたが“チェンジマスター”、すなわち、変化対応力を身につけたチェンジマネジメントの達人となれるよう、これらのスキルや物の見方、考え方をご紹介していきます。

“チェンジマスター”になるために

次回以降、以下について詳しくお伝えしていきます。チェンジマネジメントのためのアイデア、テクニック、戦略は多岐に渡りますが、あなたの状況にピッタリのものが必ず見つかることでしょう。

目次

1.変化に対応するための基礎

1−1.変化は絶え間なく続く
1−2.変化が与える影響
1−3.変化に対する反応
1−4.セルフリニューアル(自己再生)の実践
1−5.新たなやり方を積極的に学ぶ
1−6.安心できる環境を自ら作り出す
1−7.変化に対する反応をコントロールする
1−8.変化に強くなる

2.Transition CurveTMの4つのフェーズ

2−1. 変化に対し心を開く
2−2. 自分のパーソナルフィルターを理解する
2−3. 変化をナビゲートする
2−4. 変化における4つのフェーズ
2−5. 抵抗を認める
2−6. 行き詰まりを避ける
2−7. トランジションカーブを進むためにビジョンを役立てる

3.変化を前向きに捉える考え方

3-1. チャレンジを追い求める状況を創り出す
3−2. 自分の内側にポジティブなムードを創り出す
3−3. 古い期待値を書き換える
3−4. 自己実現的予言を効果的に使う
3−5. リミティングビリーフ(思い込み、固定観念)を再考する5つの方法

4.とりあえず行動を起こす

4−1. 積極的な行動を引き出す
4−2. 行動をパーソナル・パワー・グリッドに紐づける
4−3. パーソナル・パワーにエネルギーを集中する
4−4. パーソナル・パワーを高める:リスクゾーンに入る

5.つながりを創る

5−1. 他者とつながることの価値
5−2. 友は良い薬となる
5−3. サポートネットワークを広げる
5−4. ネットワークを見直す
5−5. 自分のネットワークを機動的に活用する
5−6. ネットワークを育てる
5−7. ブランチングチェーンを使ったネットワーキング
5−8. 組織におけるサポートを構築する
5−9. 組織ネットワークを活用する
5−10.変化した後の関係を再定義する