変革におけるどん底を乗り越える

先日、チェンジリーダーシップセッションを実施している際に、変革における苦悩を経験し、それを乗り越えてきたリーダーたちに出会った。
セッションでは神経科学の観点から変革における強い刺激を受けた際に脳がどのように反応するか、その過程で人間の心理がたどる段階をTransition CurveTM(心理曲線)を活用して語り合った。
一人のリーダーはTransition CurveTMを自らの経験に照らして振り返り、客観的にあたかも自分の内側から観たことで、自身が経験したどん底の前と後では状況や人の捉え方や自分の行動が変わっていることに改めて気がついたと話してくれた。
どん底へ落ちて、そこから這い上がることができないでいた自分のとっていた言動と抜け出たという感覚がある現在の言動の明らかな違いに気がつき、目が輝いている様子は印象的だった。
彼は笑顔で言った。「今も新しい変革において周りからの抵抗にあっています。しかし自分の上司との関わり方、部下との関わり方は後ろ向きから前向きに大きく変わっていることに改めて気づきました。」
視点をあげて、自ら厳しい状況を受け入れる備えができており、彼の物事の捉え方がインサイドアウトになったことで、以前なら否定的になりやすかった自分が、物事を前向きに捉え、果敢に挑戦していることに喜びを感じている様子が伝わってきた。
彼はどん底を乗り越えてきたことから、不安と向き合う術を身につけ、新たな風を周りに吹き込む存在になっている。彼の影響は仕事においてだけではない。地域でも自治会の会長職を引き受けていることを話してくれた。指示ではなく、周りを巻き込んで、お願いする事で物事を成していくリーダーシップの難しさを経験しているようだ。
このようなリーダーのもとでともに働く仲間は学び、鍛えられ、より大きな充足感を得ていくことだろう。

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James Hayase

There is no limit to one's search for excellence.